20060626 マンゴー

コレ「ネームオフ」という文具。(写真中央)
今日買ってみた。
ホチキスのような要領で使うと、8コ穴が空けられる。

職場のバイヤーの人に教えてもらった。
うちの編集部でも取り上げた商品で
郵便物などの名前の所に穴を開けられる道具。
シュレッダーなどが家にない人にオススメらしい。
これがなかなかの売れ行き。

いつも気になってたんだよねー。郵便物捨てるとき。
あからさまに捨てるのも。。。と思い破ったりしてたけど
今夜からは安心。
こっちにきてから、表札は出さないし郵便物もあからさまには
捨てられないし、電話番号は電話帳には載せてないし、
自分の情報は隠す一方。
でももうそういう時代なのだなあ。

なんだか楽しくて、家に帰ってがちゃがちゃと穴を開けてみる。
ホチキスよりも一回り大きい感じ。



お母さんから、マンゴーが届いた。
完熟のマンゴーで箱を開けた途端南の島の匂い。

うちの実家では、夕食の後デザートを食べるのが日課だった。
大抵季節のフルーツだった。
だから季節のフルーツを年中食べていたことになる。

今は人数が少なくなった実家だけれど、その習慣は続いていて
母はそれらを食べるときに、子供たちにも食べさせてあげなくちゃ。
と思うらしい。

たまの電話で
「メロンいる?送りましょうか?」
「巨峰はいりますか?」
「マンゴーはいくつ送ったらいい?」
「梨は?どのタイミングがいいかな?あ、あなたは新高が
すきだったわね」
とまあ、フルーツ農園の人並みに話題は事欠かない。笑

フルーツに限らず、我が家ではいつも季節のものを調理してくれた。
だから、いつも食卓で季節を感じることが出来た。
母は季節を運んでくれた人だと思う。
栗ご飯。
たけのこのお吸い物。
菜の花のお浸し。

お母さんが栗を前の晩にむいていると、秋だなあと思った。
家に帰ると、とうもろこしを茹でる匂いがしたり、焼き芋の匂いが
したり、そんな幼少時代。
私もそんな「お母さん」になりたいなあと思う。

なんとなーくぼんやりと無意識に、恋しくなる味がある。
思えば、それがその季節のものだったりする。
どこかで、体に染み付いているのだろうか。

大人になって感謝するのはこういうこと。
一瞬では備え付けられないことを、何年もかけて母が
教えてくれたと思う。
初めてそれに気がついたのはイギリスに暮らし始めてから。

母の手紙にそのことを書いたことをよく覚えてる。
いつもトイレに生花が飾ってあったこと。
季節のご飯を当たり前に食べさせてくれた事。
そして、そのことを誰にいわれるわけでもなく「足りないな」
とはじめて気付いた事。
イギリスでの人生初の自炊生活。
「寂しい」とか「日本食が恋しい」とかいう想いはそこにはなくて
「あーお母さんいろいろしてくれてたんだなあ。ありがとう。
私も真似してやってみよう。なんだか落ち着かないや」
という気持ち。

あれからもう4年かあ。

今年亡くなったお祖父ちゃんが味にうるさい人で、母は随分と
鍛えられた。笑
「鰯のつみれ汁」を完璧につくりなさい。
というお達しが出てから、我が家はほんっとに飽きるくらい何度も
鰯のつみれ汁を食べさせられた。
合格点が出るまで作らされたんだからすごい。
お祖父ちゃんはシーズン毎のテーマがあって、それと決めると
ワンシーズンそれを毎日食べるような人だった。

自宅と職場が扉一枚なので、お昼になると自宅に戻ってきて
毎日毎日蕎麦を食べていた。
毎日食べるだけではなく、ありとあらゆる蕎麦を食べつくしてどこのが
一番美味しいか考えていた。

おじいちゃんが亡くなって、今日でちょうど4ヶ月。
おじいちゃんを思い出すと結構笑える。
本当に個性的な人。
生きるならあのくらいがいいかもしれないな。笑