妹よ
1994年のドラマ「妹よ」
(和久井映見×唐沢寿明)
わたしはこのシンデレラストーリーが大好きだった。
TSUTAYADISCASを利用してるのだけれど、ネタがつきたので
このドラマシリーズをレンタルすることにした。
このドラマをリアルタイムで見たのは、高校1年生。
あの頃の「泣きのポイント」とまるで違うところで、号泣する30代。笑
なんか、和久井映見が単に綺麗で、若くて、ひさむきに
「あなたが好きだから、ただ会いたくて。」
なんていう台詞だけで泣ける。
若くて。
美しくて。
それだけで感動って、、、初老か?笑
逆にあの頃、泣いたであろうポイントは意外に冷静。
年を取ると言う事は、経験を重ねることであり、同じ事実でも
捉らえ方も、感動の仕方も変わっていくものなんだなあと。
違う意味で、古いドラマを見て勉強になった。
★
さて。
私は、先週から6連休をとって、独り帰省。
久々に独り里帰り。
去年も秋に独り帰省したのだけれど、彼にも気兼ねなく
友人に会えるので、やっぱり独り帰省いいなあと再認識。
熊本の友人達の時間はわたしの知らない間にどんどん進んでいて、
時の流れを感じた。
赤ちゃんだった子は幼稚園にいってるし、二世帯始めた子もいたし、
家を建てたor建ててる人多数だし、熊本時間はやっ。
みんな、ちゃんとそれぞれの人生を歩んでいて、
わたしも頑張らなくちゃとまた背中を押された。
お父さんとお母さんが、わたしの帰省を何より喜んでくれていて
その笑顔をみるたびに、嬉しくて心が痛む。
カレンダーには、私が帰省する日に大きな丸がつけてあり、
きっとお母さんは、これを随分前からつけて楽しみにしていたんだろうなあ
と、カレンダーから分かる。
帰りの飛行機はいつも両親の事を思う。
今は、年に2回大阪、2回熊本が精一杯。
今出来る事をやるしかない。
そう言い聞かせて東京へ戻る。
うちは3姉妹で、私は長女。
ぜんぜん長女らしくない長女だけれど、それでもやっぱり一番お姉さん。
親の事や、妹達のことはどこか私がしっかりしなくちゃ。
と思っている。
いや、思うようになったのかも?
一番末っ子のみーちゃんは、結婚して熊本にはいるけれど、
次女のさっちゃんは、福岡で暮らしていて、この先の暮らしは不透明。
さっちゃんは、昔から姉妹の中では「問題児」
破天荒だし、言う事を聞かないし、家族に黙って何でも遂行する。
家族に干渉されることを嫌い、連絡もまめにしないし、不器用。
家族以外とはうまく付き合っているらしいのに、家族にはとことん不器用。
いい年して、未だにお父さんに怒られたり。
そうすると、ふてくされて、しばらく帰省しなかったりする。
そんなさっちゃんと、かなり久々に布団を並べて眠った。
昔一緒に暮らして2段ベッドで寝ていた頃が嘘のよう。
心配しているのに口から出るのは、嫌味なことば。
「さっちゃん。将来の事考えてるの?
バイトするくらいなら熊本帰ってきたら?」
ややして、「はあ」とやる気のない溜息と共に
「熊本に何があるっていうのよ?」と。
「お父さんとお母さんがいるじゃん」
「自分は東京に行ったくせに勝手な事言わないでよ」
「・・そうね。そりゃそうだ」
そんな会話をぽつりぽつりと始めて、結局夜中3時まで喋った。
さっちゃんの不毛な恋愛の話が中心になったけれど。
恋愛と結婚は別だと言う人もいるけれど、本気で惚れなきゃ
結婚なんて踏み切れないと私は思う。
でも、若いときにしか好きにならないような人とは、
結婚をするべきではないよ。と言うと、さっちゃんは
「分かってる。結婚は考えて無いから」
とだけ言った。
こんな台詞をさっちゃんに言わせている事が、罪な気がして心が痛んだ。
帰りの飛行機でも、こっちに戻ってからもこの事がなんとなく引っかかって
思わずさっちゃんに電話した。
「大丈夫。ちゃんと考えるから。
言われた事もっともだと思うし」
ときちんとした口調で答えて、彼とも話をするつもりだと言って
電話を切った。
なんとなく、上手く言えないけれど、妹はずっと妹だけれど
もう、一緒に枕を並べていたときとは違うんだなあと思った。
あの頃みたいに、洋服や習い事を決めてあげるみたいに指図はもう
できないんだなあって。
離れて随分経って、妹達には妹達の世界があり、登場人物がいて、それはもう
私の範疇を超えているんだって。
妹だから、口も出すし、言いたい事も遠慮なく言うけれど。笑
久々にとことん話してそんなことを思った。
でも、妹にはうんと幸せになってほしい。
できればあまり苦労はしてほしくない。
一生彼女を、生涯をかけて守ってくれる人と結婚してほしい。
妹だから。
でも、もしかしたら、私が思う幸せは妹にとって「幸せ」じゃないのかもしれない。
5人で暮らしていた、3姉妹のころとは違うんだなあと、
そう実感した今回の帰省。
私にはわたしの帰る家があり。
久々に帰った私を、彼が「おかえりー」と迎えてくれた。
たった5日だったのに、「久しぶりー」と私が言うと
「大げさやなぁ」と彼が笑った。
★
実家から帰るときはいつも大量のお土産つき。
お母さんがせっせと剥いた栗をくれたので、
今夜は栗ご飯。
お母さんのお陰で美味しい栗ご飯を彼と囲めた。
秋だなあ。
もう。