夏に一歩ずつ近づく毎日。
朝、会社に向かう乗り換えの駅のパン屋に寄る。
焼きたてのパンを買って、通う朝。
お行儀いいとは言えないけど、会社で食べる焼き立てのあんパンや
シュガードナーツは最高においしいのだ。
牛乳とセットでいただきながら、かちゃかちゃとキーボードを叩く朝。
パーテーションがあってよかったーと心から思ったり。笑
焼きたてのパンは、人を幸せにする。
幸福な匂い。
ほっと一息つく瞬間。
いい一日が送れるような気がする。
22Fの窓から空を眺める。
海が見える。
隣のビルが見える。
となりのビルで働いている人が小さく見える。
あの中には、わたしがかつて愛した人もいる。
不思議だけれど、今どういうわけかそういうことになっている。
「今日は昨日よりも、いい日に」
この言葉を最近、心で唱える。
会社という場所について、働く人たちについて
いろいろと考えた一週間。
この慣れ親しんだ、愛すべき職場を離れようと決心した。
思うだけで涙が出そうになるけれど、それでも動かずにはいられない
気持ちもあって、結局そう決めた日は数ヶ月前。
一歩離れてものを見つめる。
人を見つめる。
ちょっと苦手かも。
価値観あわないかも?
そう思った人もいたけれど、一緒に食事をした夜 ふと思った。
私が、苦手、価値観あわないって思った部分も、その人の全てではなく
一部だったのだなあと。
1人の人の中にはいろんな感情や気分や価値観があって、
その一部を見てその人全部を否定するような見方をしていたのだなあと。
その人のいい所もいろいろと発見した。
多分、仕事と言う場所で会わなければ私は彼女のことを
「あわない」だなんて思ったりしなかったんだろうなー。
今月より隣の席に新人さんが増えた。
わたしはいろいろと仕事を教えている。
何にも感じなかったけど、マネージャーに
「彼女が仕事に不安を感じている。ペースが速い会社だから
フォローしてやって欲しい」
と言われ、はっとする。
メール文化バリバリなうちの会社に気後れする人は多い。
メールをチェックしてないと、仕事をやりそこなう。
仕事をやってる傍からメールはどんどんやってきて、自分に必要な
情報を拾うだけでも最初は大変だろうな。その上、プライオリティーを
自分で決めてやっていかなくちゃならない。
あーそっかそうだったな。
彼女は私よりもずっと年上だから、へんに褒めることは何となく生意気
に思えてしなかったけれど、
「大丈夫ですよ。短期間なのによく覚えてやれてると思いますよ」
と言ったら
「本当ですか?そう言われてほっとしました」
と顔を緩めた。
あーそうか。
言わなくちゃわからないよね。
年が上で落ち着いて見えてても、プレッシャーだったんだな。
褒めるって大事だな。
言葉にするって。
分かってるようで、分かってない。
人をふっと緩められるようなそんな言葉の使い方を
していきたいなあと思う。
人をきゅっと縛り付けるようなことは、口にしないようにもしたい。
つい毒舌になってしまう私は要注意だ。
いろんなことに気がついた、そんな一週間。
これはきっと、去る前に与えてくれたギフトなんだな。
今日は、昨日よりも、いい日に。
そうやって日々、ちょっとずつでも半歩下がりながらでも
成長する日々。